2014年11月08日

見積が出てきたので収支分析してみた。

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仙台法人の社長である義母。その社長が、家族が保有している仙台の土地にアパートを

建ててみようかなという気持ちになっている件に動きがありました。

お付き合いのある業者さんに見積を依頼した結果が出てきたようです。

見てほしいと言われたので、こちらでその内容を見た上で収支を計算してみました。



以下、その内容をつらつらと書いてみようと思います。

前提として、5年で売却するという方針で分析します。



とりあえず利回りベースで評価してみると・・・建築と造成の金額から算出した

利回りは、10.9%でした。土地はすでに持っているのですが、その想定売買代金を

ざっくりと加えると、8.1%まで下がります。うーん、なんとも微妙です。



お金がかかっている原因を見ていくと、土地の造成に費用がかかっているっぽいことが

わかってきました。既存建物や既存のフェンスの解体があるのは当然なのですが、

それ以外の費用もけっこうばかにならないようです。



社長が持っている土地は、容積率80%の土地です。それはもう普通の住宅地なので、

正直アパートを建てるには条件はあまり良くない(建設できる建物という観点から)

というところはあります。



それゆえに、駐車場を作るためにアスファルト舗装をするとか、フェンスを新設するとか

そういう費用が掛かってしまうのは仕方ありません。土地が広いですからね。



あとは、この土地は山を造成して作った団地なので、擁壁があります。隣の土地の擁壁、

自分の土地の擁壁。そして駐車場の出し入れを容易にするために、追加の工事が

どうしてもかかってしまうという現実があります。



だから、どうしても外構にお金がかかってしまうというのは仕方ないのかもしれません。

土地から仕込む案件であれば、たぶん買わないだろうと思います。



ただまあ、土地は持っているわけですから・・・。多少条件が悪かったとしても、

新築で建てて土地売りするより儲かるなら、それはそれでありですよね。



それでは、この建物を建てた場合、どのようなキャッシュフローになるか考えてみます。

具体的な金額を置いてみないとイメージしづらいので、仮に融資希望金額および

建物金額を3000万として計算してみます

(実際のアパートの価格とは違いますのでご承知おきを)



木造アパートの想定なので、法定耐用年数いっぱいの22年借りると計算します。

金利は仮に2.4%としましょう。建物を作る分すべて借入で賄うとします。

そうすると、返済比率はおよそ50%程度になります。もう少し金利を低くして

1.5%になれば、半分以下になります。小さい木造アパートだから誤差の範囲か。

まあここはとりあえず2.4%で話を進めてみましょう。そうすると、借入に対して

年間での返済はざっくり175万。元本返済110万、利息返済65万が内訳です。



5年間家賃は変わらずに維持できたとします。すると、およそ2割くらい残債が

減っていることになります。金利2.4%なら残債は約2450万ですね。

そして家賃収入が3000万の10.9%とすると・・・丸めて330万。



減価償却に目を転じると、3000万の建物なら5年後は簿価は2310万。

融資残高より多少少なくなっています。



アパート単体での税金。法人で建築するので、法人の税率に依存するところがありますが

330万の売上に対して固定資産税10万(最初の3年は割引があるけど考慮しません)

減価償却138万、利息は元利均等だから変わりますが、平均したら65万くらい。

1部屋の入退去があると予想し、かかる経費が20万。空室になって家賃収入が

入らない期間もあると思うので、それによる売上減少を10万、雑費10万します。

※売上減少は本来経費ではないですが、便宜上そういう扱いにさせてください。



そうすると税務上の利益は77万となります。他の物件もあるので、税率は仮に

24.56%とする(400万〜800万の所得額の法人の実効税率)と、税金は

年間19万程度と試算できます。



結果、キャッシュフローは330万の家賃収入から減価償却を除いた経費(115万)と

元本返済の費用を引き算したもの(110万)になりますので、105万となりました。



5年間家賃が変わらず、空室がない前提で考えれば、105万が5年で525万。

これが手元に残るお金となります。



さて、5年で利回り10%でこの物件を売却したとしましょう。

利回り10%で家賃が変わらない前提なら、3300万で売却できます。



手元に残る現金は3300万から残債2450万をひくと、850万。

手元にある5年分のキャッシュフローと足し算すると、1375万となります。



他方、残債は2310万なので、帳簿上の利益はおおむね1000万となります。

この売上高だと法人の実効税率は36.05%(復興法人税加算期間は終了している)

ですので、360万が税金で持っていかれます。



結果、本当の意味で手元に残る現金は・・・1375万から360万をひいて、

1015万ということになりました。



もし、今この土地が1000万以上で売れるのであれば、今売って1000万を

得た方が得になる計算です。5年後の1000万と、今の1000万。

価値が高いのは今の1000万であるのは間違いありません。



節税したところで、元々5年間の法人税の累計は100万にも満たない数字です。

2割節税しても20万。そんなに劇的に変わるものではありません。

今以上に建設コストを落とすか、売却時の税率をコントロールして下げるか。

(800万以下になれば実効税率は23%くらいまで落ちるので、130万くらいは

 節税できることになり、メリットが大きいと思います)

どちらかの手段を講じない限りは、建てても微妙だなあという印象になります。



まあでも、会社の規模を少しでも大きくするという観点で考えれば、建てるのも

悪くはないのかもしれません。半分はファミリーになるから安定するだろうし。

社長に報告して、今後の方向性をどうするか考えてもらいましょうかね〜。

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posted by ひろ* at 11:12 | Comment(0) | 義母の新築計画(建てずに終了) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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