2013年07月04日

築古木造物件。

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築古木造物件は善し悪しがあります。自分の置かれた状況に合わせて、それを購入するのが

本当に妥当なのかを考えて判断する必要があるかと思います。今日のブログでは、木造築古物件の

特徴について、メリット・デメリットを考えながら書いてみたいと思います。



私のところにもたまに築古木造の案件のご提案が来ることがあります。築古木造は利回りが

高いことが多いので、私の閾値をクリアすることが多いように思います。



木造築古は、基本的には融資はつきません。融資がつかなければ、その物件は買える人が

ぐっと減ってしまうということになりますので、その分利回りが高くなっていきがちです。



こういう物件を頑張って融資付け出来るようになると、利回りの良い物件を手に入れることが

できるかもしれません。基本的には融資は厳しいとはいえ、土地値が売価に近ければ、信金さん等の

地元密着型金融機関さんで融資が出ることがあります。上物の収益は見ずに、土地に対して

融資すると言う体裁で銀行内の融資を通しているものと思います。あとはごく一部の銀行さんで

こういう物件でも長期の融資を出すところがあるので、そういう銀行さんを活用していきます。



木造築古物件は利回りが高いこと以外にもメリットがあります。それは運営費がかからないこと。

私も木造物件を3棟持っていますが、いずれも共用部の電気代が1000円くらいかかる程度で

それ以外に何の経費もかかりません。固定資産税もS造の物件に比べて安いので、運営していて

非常に気楽です。あとは減価償却の期間がRCに比べて短いので、利益が出過ぎている人にとっては

収益を確保しつつ節税ができるというメリットもあるのではないかと思います。



そしてRCに比べて解体する時にお金がかかりません。収益物件として売れなかったとしても、

土地として出口を取ることができます。勿論、高く出口を取る為には土地の形状や宅地造成が

うまくできるか、なども事前に考えておく必要はありますが。



逆に木造築古物件の欠点ですが、RCの物件に比べて賃貸付の競争力が(一般的に)劣ることが

一番に挙げられるのではないでしょうか。おうちを借りる人は、アパートよりはマンションに

住みたいと思うでしょうし、アパートに住むならその分家賃は下げたいと感じるでしょう。

そうなると、家賃下落の波に一番最初に呑まれるのは木造築古物件ではないかと思います。



そして減価償却が取れるということは、その反面簿価が下がっているということですので

売却時に税金をしっかりと取られることになります。個人であれば分離課税ですので、長期でも

得た利益の20%はお国に徴収されてしまいます。持ち続けて新築を建てるなら問題には

ならないのですが、そうでなくて最終的に売ると決めている場合は、ここで結局税金を納めることに

なってしまいます。



私自身は、木造の家賃を安めに引き直してもキャッシュフローが出るなら、購入を検討しても

いいのではないかと考えます。よほどお客様が動いていない地域でない限りは、家賃を安くすれば

満室経営は可能であろうと思っています。事実、私の札幌の築25年クラスの木造物件でも、

それなりの家賃で満室経営が維持できています。ちゃんとやるべきことをやっておけるならば

築古木造でも大きな問題はないものと思っています。運営コストが安いので、表面利回りが

そのまま実質利回りに近いものになってくるパターンも多いと思います。



ただ、購入して数年はいいのですが、減価償却がなくなってきたときが勝負どころになります。

私自身もこの課題は認識していますが、築古木造物件を購入すると、前述のとおり減価償却の

期間が短くなります。最初はたっぷり減価償却が取れるからいいのですが、その期間が切れると

経費がガクンと減り、決算書上の利益が増えてしまいます。当然ですが、キャッシュフローに

大きく影響してきますので、減価償却を取れている間に何か手段を考える必要があります。



上記のようなことを踏まえ、木造の築古物件を購入するかしないか検討していければ良いのでは

ないかと考えています。皆様の物件検討の参考になれば幸いです。

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posted by ひろ* at 07:50 | Comment(0) | 思想・発想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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