2020年08月19日

その築古高利回り、本当に高利回り?

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最近思うのは、利回りとリスクは表裏一体だなということです。利回りが高いのには

それなりの理由があり、その理由を克服できる人が果実を得られるのだろう、と。



最近の札幌物件で特に顕著なのですが、私は今空室率が高い状態になっております。

稼働率が思うように伸びない理由は色々あるでしょう。家賃設定、立地、設備などの

様々な要因があるとは思うのですが、物件自体の古さというものが多少なりとも

影響していることは否めないかなと思っています。



古いから入居が厳しいというつもりはありません。古くても立地が良いものであれば

入居率は良くなることと思います。古くてもきちんとリノベーションされていて、

室内が古さを感じさせない仕様になっていれば、これも入居率は良くなることでしょう。

(東京ではそういう物件を作っており、実際の入居率も悪くないです)



しかし、そうではない普通の古い物件は、やはり競争力という面で乏しいところが

あるのだろうと思います。



間取りも今風ではない、設備も古くて不便、なんとなく部屋の内装も古臭さを感じる、

という物件をそのままにしていれば、当然ですが現在のニーズに合致しないことになり

入居者様からのウケは良くないでしょう。そしてそういう物件は家賃を下げて市場の

ニーズに合う費用対効果を生み出せるようにして、入居申込にこぎつける構図です。

そして、感覚的にはそういう消去法的な感じで選ばれる物件は、人気のある物件と比べ

成約までに時間がかかっているような気もします。



時間を掛けずに決めるなら、内装をリノベーションしたり設備を刷新したりすると

今風になって良いのだと思いますが、それを札幌で行うのもコストの面からは

あまり好ましくないと考えます。東京だったらやる価値があるのですけどね。



例えば、東京のワンルームであれば、リノベーションをして家賃5.5万のところ

7万取れるようになった、みたいな事例は普通にあると思います。月1.5万の家賃が

取れるなら、リフォームにかけた費用を表面利回り10%で回収したいとすれば、

180万まで予算を取ることができます。



他方、札幌のワンルームであれば、リノベーションをしても家賃2.5万のところ

3万くらいしか取れないだろうと思います。すると、差額は月に5千円となります。

同様に、リフォームにかけた費用を表面利回り10%で回収したいとすれば、

60万しか予算が取れないことになります。



上記のように、家賃が安くなればなるほど、かけられるお金が減っていくので、

地方の家賃が安い物件になると、バリューアップも難しくなってしまうと思ってます。

だから私は札幌でリノベーションはやっていません。



こういった部分のストレスをかけていくと、築古高利回りと言っても、実はそんなに

美味しくないのでは?というケースも割とあるはずです。



充分にストレスをかけて、空室が埋まるのも時間がかかり、稼働率は80%くらいで

固めに見ておけば良い。それは確かにその通りです。築古は減価償却も短期で取れるし、

借入期間も短くなるでしょうから、債務償還年数が短くなることでしょう。

私も築古高利回りはこんなこと書きつつも好きなので、良い点があるのはその通りです。



で、最近新築主体の大家さんと話していて感じたのは、新築と築古ではトラブルの量が

歴然として違うということ。新築主体の大家さんは、私がブログで数々のトラブルの

ことを書いているのを「大変そう・・・」「辛くないのかな・・・」という感じで

心配してくれておりました。そのくらいトラブルと無縁だということなのでしょう。



築古は設備も古いので故障しやすい、新築はむこう10年くらいはトラブルフリー。

確かにそういう面はあると思います。私が保有している物件で一番新しいものは、

札幌7棟目の築14年ですが、この物件は確かに設備関連のトラブルが少ないです。

他方、築古物件はいろいろ起こります。仙台1棟目ではポンプが壊れ、札幌10棟目では

便器が壊れ、富山1棟目ではネズミが出ました。設備は劣化するものですので、

年数が経過すればそう言うことが起こる確率も高くなります。そしてその修繕費も

購入時のシミュレーションにざっくり積んでおかなくてはならないです。



また、新築大家さんの話を聞いていると、滞納や夜逃げなどの入居者様トラブルも

極めて少ないとのこと。こちらも前述の札幌7棟目ではそういう事案は少ないです。

築古になると、滞納や明渡訴訟といったトラブルが増える傾向は感じています。



こういった点をうまく対応しきれて、期待通りの集積を出せる大家さんであれば、

築古で利益を最大化できるのでしょう。でも私はそこまでの器はないようで、空室も

それなりにあり、空室期間もちょっと長くなっています。



そうなると、せっかく高利回りの物件を買っても、安定している築浅低利回りと

結果として同じくらいしか儲からないってケースもありそうだなあ・・・と。

期待利回りと実際の利回りが乖離しているような印象を持っています。



最近、新築や築浅のことをしきりに書いていますが、上記のようなことを考えたのも

その理由の一つです。



見立てを誤らなければ、築古高利回りはすごく良い投資だろうと私は思ってます。

実際、ここまでその路線で進めてきていますし。でも、それと新築とをうまく

組み合わせて、バランスを取りながら運営すれば、もっと良いのではないかなあと

思い始めています。高利回り至上主義からの心境の変化、でしょうか。



見る人が見れば、一面しかみてないなあとか、稚拙なこと書いてるなあと思うでしょう。

でもいいんです。結局のところ、今の自分のレベルだとこのくらいしか考えられない、

それであれば、それに従って行動してみて、体験して学べばいいと思います。

いつでも挑戦者。いつでも闘志家。クールでスマートなキャラじゃないですから。



今は新築築浅にシフトしてみて、実際に何が起こるのかを確認したいと思います。

起こったことを見ながら、考え方や行動を補正していきます。



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posted by ひろ* at 08:22 | Comment(0) | 思想・発想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする