2016年10月19日
民泊を事業収支に組み込んでしまうことの危険性。
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昨日も2件ばかり大きな出来事が起こりましたが、今すぐブログで書くわけにいかない
事案なので、もうちょっと落ち着いたら書こうと思います。
そこで、本日は民泊を事業計画に組み込むことの危険性について書いてみます。
昨日は不動産関係の方と会合をしておりました。その中で「物件を買って民泊したい」
ということを仰っている方がおりました。この話、よーく紐解いていってみると、
「今は利回りが低い」「利回りを上げるには民泊で運用するのが良いのでは」という
流れで、自分で買おうとしている物件の利回りの底上げのために言っているのだろうと
推測できました。
※今日この場においては、民泊はまだ許認可を得ないとブラックとか、そういうことは
横に置いて書かせていただきます。なお、どうしても民泊で融資を受けた物件を
回そうと思っている方におかれましては、金融機関さんに民泊とか言っちゃうと
コンプライアンス上問題になるはずですので、それは言わずに別の名目で伝える、
ということもお忘れなく。
私もここ2年くらいずっと民泊の動向自体は追いかけていますし、民泊をしている人から
情報収集したりもしています。その中で言えることとしては、民泊ありきの収支計画で
物件を買うことは割と危険だぞ、ということ。これは主張しておきたいです。
なぜ危険なのか。
それは、民泊がものすごいスピードで動向が変わっているため、長期でローンを組んで
運用する不動産融資の考え方とあまりにも相容れないと考えられるためです。
例えばですが、民泊なしの通常賃貸だと利回り7.5%の物件が、民泊化することで
8.5%まで利回りが向上するとします。8.5%であれば、まあ確かに長期の融資を
古ローンで引いても、余力はないもののギリギリ収支としては回る水準になります。
しかし、この事業計画で進めていいのかはよく考えた方が良いです。
その長期間、民泊が今と同じ法令でいつづけるのか?
その長期間、民泊は同じように収益をあげ続けられるのか?
その長期間、周囲にライバル物件は出現しないのか?
その長期間、近隣からクレームで中止に追いやられるリスクはないのか?
民泊は不動産と違ってまだ若いです。そしてこの情報化社会の中で、ものすごい勢いで
進化しております。また、情報の浸透も非常に早く、1年前は「民泊?なにそれ?」
だった一般の方が、最近では「あの家に外国人が出入りしているのって、民泊でしょ?
許認可得てるの?保健所に確認しよう」と普通に言い出す状態です。
2〜3年前は、それこそ不動産賃貸業の人ではなく、水商売やビジネス感度の高い方が
オーナーに黙って民泊をして荒稼ぎしている時代でした。それが1〜2年前に不動産
投資家に情報がいきわたり、そして今では不動産投資と関係のない方も民泊に手を
出そうと思えば出せる状態になっております。プレイヤーは入れ替わっています。
手軽に民泊を始められるようになったことで、近隣に民泊が乱立して単価下落を招く、
といったケースも最近は増えているように感じます。1〜2年前なら10日で家賃分の
売上を確保できていたのが、最近ではそこまで高い単価が取れなくなっているという
話も聞きます。消費者側も当然ながら安くて質の良いものを選びたがりますから、
その単価はいつまでもブルーオーシャンではないのです。
国の民泊に対する法整備がなかなか進まない中、トラブル事例もいろいろと聞きます。
中国の方が部屋で宴会していてうるさい、隣の民泊部屋が朝から騒がしくて困る、
部屋でタバコを吸えない民泊宿泊者が、物件の共用部や隣の家のガレージでタバコを
吸っていて、治安上好ましくない・・・など。こうしたクレームが保健所に伝われば
現在の法令上、指導をして止めさせなくてはなりません。そして一度保健所に指導され
廃止に追いやれれれば、その部屋で再度民泊をやるのはかなり困難になります。
2年前に面白そうだと思っていた民泊が、わずか2年でこれだけ状況が変わるとは
私も想像しておりませんでした。恐ろしいことです。
そんな風に劇的に変わっている民泊事情。それを30年融資の事業計画に組み込むのは
とても恐ろしいことではないでしょうか。その事業計画があくまでオプションであり
通常の不動産賃貸でも収支は回るんですということならいいのですが、民泊ありきで
収支を組んでしまい、その民泊が早期につぶれてしまったらどうするのでしょうか。
そこに対する対策があるなら、そもそも民泊なんて事業計画で前提にしない方がいいし
ないならその物件を購入すること自治が危ういので、自己資金を入れるなり諦めるなり
考えた方がよろしいのではないかと思います。
長期で融資を得るなら、少なくとも社会で長期に生き残るであろうサービスを用いて
収支計画を立て、わからないものはあくまでオプションにとどめる。そういった
考え方で取り組まれるのがよろしいのではないでしょうか。
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