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昨日のブログに引き続き、川村龍平さんの「金融・経済・不動産リバイバルセミナー」の報告です。
【インフレヘッジ】
よく言われる「不動産はインフレに強い」という点についても、川村さんは少し異論がありました。
経済成長を伴わないインフレ(悪いインフレ)が起こる可能性があり、その場合は家賃が下落し
不動産価格も下落するであろうことから、インフレヘッジにはならないという予測を立てています。
仮に良いインフレで所得増大も伴った場合でも、家賃があがるまでのタイムラグと金利上昇の
タイミングのずれで、借入に頼っている大部分の大家さんは資金繰りが悪化し、破綻する可能性が
あるとのことでした。金利はすぐにあがるけど、家賃は5年くらい経たないとあがらないだろうと。
【生き残り戦略】
人口も所得も減っていき、あまり明るい見通しがない経済状況の中で、どう戦っていくか。
・早めに借入を少なくしていくこと
・人口が減っても需要が維持されそうな地域に不動産を購入すること
・自主管理などで経費を削ぎ落とし、筋肉質の経営を心掛けること
これらの施策を打っていく必要がある、と訴えておりました。
不動産投資は何も考えずに低利回りのものを購入していると「黒字倒産」の恐れがあります。
元利均等で借りている場合は、返済が進んでくると金利分の経費が目減りしていきます。
減価償却もあるタイミングでなくなります。手取りの収入は変わらないのに、経費だけが
減っていくので、税金の支払いが多くなり、決算上は黒字なのに破綻するというシナリオです。
(デッドクロスと呼ばれています)
借入期間の最後の5年が実は一番厳しいので、そこをどう乗り切るかシミュレーションしながら
不動産経営を考えなくてはならない、という点については同意します。
川村さんは自主管理することで手残りを増やしていき、デッドクロスを回避することを推奨して
おられます。自主管理をすることで管理手数料が削減できますし、自分である程度修繕などを
行うことで、その作業の相場観が養われるから業者さんに不当に高い価格を請求されても、
それが適正価格なのかすぐに判断できる、というメリットを挙げておられました。
自主管理なら更新料も総取りできます。
自主管理することで、建物の状態をこまめに見ることになりますので、何か問題が発生しそうだと
思った際には、予防修繕を行うこともできます。予防修繕は突発的な修繕に比べて価格が安いので
トータルコストを圧縮できるとのことです。
結果として、年間賃料1000万クラスの物件であれば、管理手数料50万と諸々の修繕で
50万〜100万程度は経費を削減できると試算されておりました。年間のキャッシュフローが
100万変われば、けっこう経営は楽になりますね。その点は確かにその通りかもしれません。
(管理手数料5%って、CFに対してではなく収入に対してなので、CFベースで考えると意外と
安くない価格を払っているんですよねえ。。。)
その分仕事が大変になる部分も当然ありますが、それでも入居者様からかかってくる電話なんて
そんなに多くない、ということもおっしゃっておりました。
あとは保証会社さんや保険の有効活用、滞納への初動は迅速にする必要がある、などのお話も。
空室対策は仲介業者さんに積極的にアピールし、こまめな清掃や物件の設備更新などで客付の
営業さんが紹介しやすい環境を維持することも大事だ、と。
私自身は何が何でも自主管理とは思っておりませんが、不動産業界には志が低く質の悪い業者さんが
それなりに多いというのは感じております。そういった業者さんに自分の大事な資産を任せている、
という状況があるならば、自主管理の方が断然いいと思います。
また、借入に関しては20年以内の期間でキャッシュフローが出るよう考えておくべき、との
意見がありました。川村さん自身は早ければ2020年に悪いインフレが始まるのではないか、
という見解を持たれており、そこに向けて早めに借入を圧縮していく必要があるという見解を
示されておりました。実際、川村さん自身もあと5年で全ての借入を返済しきるということです。
「自分ができてないことを他人に勧めるわけにはいかない」と笑いながら言っておりました。
20年返済を目途にする場合、利回りはそれなりに高くなければなりません。川村さんの場合は
人口動態なども考え、東京23区と川崎や横浜などの限られたエリアにしか投資をしないという
ルールをご自身では設けられているので、そこで利回りが高い物件となると相当限られます。
現在の風潮は、銀行が融資をしてくれる(=積算が出る)ものを多少利回りが低くても我慢して
買うというのが主流になっているような感じを受けます。しかし、それだとキャッシュフローが
最初は出ても、後半戦で苦しくなるのは目に見えているのだから、銀行が出してくれる物件ではなく
自分が儲かると思う物件を銀行さんに持ち込み、あの手この手で説得して出させることが大事、
ということをおっしゃっておりました。
本編はだいたいこんなところでしょうか。
本編が終わった後の質疑応答の時に、ちょっと質問してみました。
私「基本的には悲観的なシナリオで日本経済を見ているようですが、アベノミクスの三本の矢が
うまく回っていって、マネタリーベースではなく市場に出回るお金が増えて給与も増えるという
結末にうまくもっていければ、不動産経営は少し楽になると思います。どのような政策を政府が
打ち出して来れば、そういった傾向に進んでいると判断できますか?」
川「税務の面では新規設備投資に対する税制優遇などが考えられます。企業が内部留保に回さず
新規の投資をして生産性を高める方向に進んでいけば、マネタリーベースではなく実際の市場に
お金が回っていきます。」
川「あとは規制緩和をして、民間の需要を創出することが必要だと思います。農業も大規模化を
進めていき、生産効率を向上させる必要があるのではないでしょうか。」
私「構造改革は逆に民間の給与所得を減らしませんか?タクシーなどは規制緩和で単価が下落し
競争ばかりが増えてしまい、構造改革が悪い方に影響しているように見えます。」
川「そういう業種も確かにあると思いますが、業種によって効果のほどは異なってきますので
全体で見れば給与所得が向上する方向に回ると思います」
※私のつたない知識での解釈なので、理解に誤りがあったらすみません。
時間切れだったのでこれ以上聞けなかったんですが、私はトータルで良くなるという話については
もう少し踏み込んで話を聞きたかったです。どっちかというと、構造改革よりも内部留保を
給与所得に回すような政策の方が直接的に良い影響を及ぼすんじゃないかと思っていますので。
内部留保に税金をかけて、その分人件費に回すと税の優遇をするような政策なら、確実に給与は
あがっていくと思っています。
あと、その後の懇親会で国の借金はインフレになれば相対的に価値が下がっていくのではないかと
質問したのですが、そこはそれ以上に赤字国債の額が多いから、全部減るということはないだろう、
という見解でした。この辺も数字を交えて具体的に伺いたかったのですが、お酒の席だったので
あまりつっこんだ話になるのもなあと思い、止めました。
川村さんの場合「不動産投資で成功する」「不動産投資でハッピーリタイヤ」というような
浮ついたことは一切なく、「どうやって生き残るか」「どうしたら退場しなくて済むか」という
非常に悲観的な立場に立って話を進められています。そこが業者さんの行う物件を売るための
不動産投資セミナーとは違うところかなと感じます。
ただ、川村さんのおっしゃることが万人にとって正しいかと言うと、そこはちゃんと取捨選択が
必要かと思っております。川村さんのポジションは、前提として購入した物件は最後まで
持ち切る覚悟で運営する、というものですので、その観点に基づいた説明がなされています。
そしてご本人は否定されますが、私から見れば「お金持ち」「資産背景に余裕がある」という
前提もありますので、しがないサラリーマンが完全に真似をしようとしても、マッチしない
部分もあるかと思います(銀行融資のくだりなどは特にそう感じます)。
相手がどのようなポジションでどのような思想を持っているか、ということを把握した上で、
どの部分を参考にするかを見極める必要があると思っています。この人の考えていることを
何も考えずにコピーすればいい、というほど不動産は甘くありません。自分なりに昇華して
その上で自分がどうふるまうかを決められるようになるべき、と考えます。
懇親会で川村さんとお話した時に、そんなことを直接言ったところ、大きくうなずきながら
「リスクをわかった上で自分で納得してリスクを取りに行くなら良いんだけど、それをわからずに
やっている人が多すぎるんですよ」とコメントされていました。私は少なくともそういうリスクは
承知の上でどうやって低減させるか考えながら不動産賃貸業をやっているつもりなのですが、
意外とそうではない人も多いみたいですね・・・。
自主管理についても同様で、遠方で自主管理できない人がいることも重々承知はしているのですが
とんでもない業者さんに任せていることに気が付いていない人もいっぱいいるということでした。
数少ない信頼できる業者さんとのパートナーシップを結ぶことが出来て、オーナーと管理会社さんが
同じ方向を向いて一緒に歩めるなら自主管理でなくても構わないんだけど、実際はそうではない困った
業者さんが多いから、自主管理を提唱しているんだ、ということでした。
パートナーが本当に信頼できるかわからずに困っている方、自分の不動産投資が20年後にもうまく
回せているか不安な方は、次回の川村さんのセミナーを受講されるのも良いのではないかと思いました。
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